格闘家使い

kakutouka2003-05-23

我が家には猫がいる。名前は「松」という。母親は「銀丸」といい祖父は「銀次郎」といった。
赤虎というか三毛猫というか、割とよくいる模様の猫であるが美描である。本人も自覚は十分あるようで、年中気取っている。
祖父の銀次郎は友人の所で飼われていた猫で、、その娘をオイラが貰い受けた訳だ。銀丸が子供を産んだら銀次郎と一緒に暮らさせて、おじいさんと孫娘で「アルプスの少女ハイジごっこをやらす予定だったが、母子を引き離すのが忍びないのと、子猫の松があまりにも可愛かったので手放せなくなり、この企画は中止になった(もともと大して意味の無い企画だったのだが)。
松は我が家で生まれた猫である。貰われたとか、拾われたのではない。しかも美描である。つまり気位が非常に高いのだ。いや、大体猫というのは気位の高いものなのだが、大昔飼っていたP子ちゃんは捨て猫を拾ってきたからか、時折どこか人間に媚びるような事をする事があったが松に限っては一切無い。完全なお嬢様猫として育てられたのだ。
松は、今まで何不自由無く暮らしてきた。今年の3月で19歳になった。猫としてはかなりの長生きであり、人間で言えば80歳〜100歳位に相当するようだ。

もともとこの猫は我が儘お嬢様なのだが、近年は特にその我が儘度がアップしているのだ。そうは言っても猫がやる事っていうのは、漫画「What’s Michael」始め色々な所で紹介されているし、オイラも松が19年で、その前のP子ちゃんが12年生きたから相当の期間猫を飼ってる訳で、大抵の事では今更驚かない。
しかし・・・
昨晩、オイラがテレビを見ていると、廊下で松が泣いているではないか。最近は夜中突然起きて徘徊する事が多い。一々相手しててもしょうがないから放置している。しかし、昨日はいつまでも泣き止まない。
しばらく泣いて、とうとうオイラの部屋に戸を開けて入ってきた。
オイラが「何かようか?」と聞くと松は「こっちに来い」とばかりにまた廊下へ戻っていった。
仕方無しにオイラが廊下へ行くと、今度は階段ところまで(といっても人間の足なら数歩だが)走っていき、ここまで来いと言う顔をしている。オイラが階段のところまで行くと、今度は松が階段を2段下りて、オイラの方を振り返る。一緒に降りて来い、という顔で。
またまた仕方無しにオイラが階段を降り始めると、松もそのまま階段を駆け降りた。階段を降りると今度は風呂場の戸の前まで行き、「ニャア」と泣く。風呂場の戸を開けろと言っている。風呂場の戸を開けてやると、今度は洗面器の前でニャアと泣く。水を汲めと。
猫も年を取ってくると、喉が渇きやすくなり、水を飲みたがるとものの本に有った。しかも猫は新鮮な水しか飲まないそうだ。水を汲んでおいても駄目なのだ。そんな古い水を彼女は飲まない。水を飲む時は必ず人間に、水を汲めと要求する。頑固なのだ。
しかし、、、夜中にわざわざ人の部屋まで来て、人を風呂場まで誘導して、水を汲ます猫なんてありか?今までも風呂場の近くにオイラがいる時、水を汲めと言われた事は度々あったが、、、、、。
松は、オイラが汲んでやった水を2分30秒かけて飲み、その間オイラはずっと何故か待っている、飲み終わるとオイラの存在を無視して、オイラの横を素通りして階段を上っていき寝床に行ったのであった。あっぱれな奴だ。

松の写真
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