2日目

昨日に引き続きさんとり〜ほ〜るへうぃ〜ん・ふぃるを聴きに行く。
今年のうぃ〜ん・ふぃるの日 本公演は指揮者が二人。80歳のお爺さんと40代の若手。80歳のお爺さんが病気になって来日できなくなったので若手がお爺さんの分の代役も引き受けたわけだ。
お爺さんの方は、まあ、オイラ的にはさほど興味はない指揮者だが若手の方は現在オイラがもっとも期待している指揮者。独逸音楽界にとって彼は救世主なのだ。
若手指揮者は今回1つのプログラムしか用意してなかったが、お爺さん指揮者の代役を務める事になったのでお爺さん指揮者のプログラムを引き継いだ。金曜日の公演はそのまま、しかし、今日の公演はメインの曲はそのままだが、前半の曲が変更になった。
当初の予定では前半の曲はひんでみっとという人の曲だったが、わーぐなーの曲に変更になった。
【とりすたん&いぞるで】から前奏曲と愛の死。
この若手指揮者はわーぐなーが非常に得意。この【とりすたん】で5月、うぃ〜んの歌劇場で圧倒的な成功を収め、その様子は日 本でもラヂオで放送された。彼のわ〜ぐな〜をうぃ〜ん・ふぃるで聴けるならこれは行くしかない。幸いにしてお爺さん指揮者のキャンセルによって払い戻した人が沢山いた(当日券は200枚でたらしい)おかげでチケットは簡単に入手できた。
本日の曲は
 わ〜ぐな〜:【とりすたん&いぞるで】前奏曲と愛の死 約20分
 ぶるっくな〜:交響曲7番  約70分
この2曲。昨日の演目よりもこちらの方がオイラ的には馴染み深い曲だ。
この若手指揮者はわ〜ぐな〜には絶対の信頼があるがぶるっくな〜は未知数。一般的にわ〜ぐな〜を得意な指揮者はぶるっくな〜も得意のはず。そうはいっても若手で現在オケの常任やってるわけでもない彼が今までどの程度ぶるっくな〜を振った事があるかは不明。しかしだ、そんな事はどうでもいいのだ。今日は前半の20分のわ〜ぐな〜を聴ければいいのだ。ぶるっくな〜はおまけだ。

当日券を入手し、さぶうぇいでお茶して気合いを入れてホールへ。今日はRBブロックという2階席。普通であればまず買わない席だ。何年か前、む〜帝とうぃ〜ん・ふぃるの演奏会を聴きに来た時この席にこーたいし殿下ご夫妻が座ってたからきっとこの席はいい席なんだろう。
開演まで気合いを入れようと席に着いて精神集中。開演10分位前だろうか、客席がざわめいている。何かと思えばくらおたで有名なこいずみさんがいらしゃったようで。客席からこいずみさんに向かって拍手がわき起こる。流石に支持率が高い御仁なだけあるわなあ。
普通のコンサートではオケのメンバーはバラバラ出てきて自分の席について一通りみんな席についたところでコンマスさんが偉そうに出てくるもんだが、今日はこいずみさんがいる為、うぃ〜ん・ふぃるの団員さんも一斉にお行儀良く出てきた。

昨日は前の方の席だったから、オケのメンバーの顔はよく見えなかったけど、今日の席からは舞台全体がほぼ見渡せる。驚いた事に舞台の上に女性がいるではないか。いつの間に・・・・・。
女性を団員にするくらいならうぃ〜ん・ふぃるは解散するって団長さんこの前までいきまいてたのにねえ、、、、いつの間にこんなに増殖してしまったんだろう。悲しい事だ・・・・。
今日のコンマスはキュッヘルとホーネックの二人体制。おー、うぃーん・ふぃる今日も気合い入ってるかな。
1曲目 【とりすたん&いぞるで】前奏曲と愛の死
この曲はうぃ〜ん・ふぃるで聴きたい曲。
果てしなく続く無限旋律のスケベチックな高揚はうぃーん・ふぃるの音でよりスケベ度を増していく。これぞ、うぃ〜ん・ふぃるの醍醐味なり。この柔らかい響きは日 本のオケは勿論、伯林やシカ ゴのおけでも絶対出せない音だ。
オイラが聴きたかったのはまさしくこの音楽!!至福の一時。
2曲目 【ぶるっくなー:交響曲7番】
ぶるっくなーはまあまあのでき。もしオケがうぃ〜ん・ふぃるでなければちょっと辛かったであろう演奏。
この曲は名曲でありながら構成に問題がある。前半2楽章が重く、後半2楽章が軽い。そして2楽章の最後に圧倒的なクライマックスが用意されているのである。
ぶるっくなーはこのクライマックス部分に友人の助言を聞き入れて打楽器を書き足した。シンバルとトライアン グルがジャカジャカ派手に鳴るように。後年、ぶるっくなーはこの書き足し部分を「無効」と書いて×印を付けた。この曲を演奏する場合はこの「無効」を尊重する打楽器無しの版(ハース版)か、打楽器有りの版(ノヴァーク版)かがポイントになる。
CDで聴く限りでは、個人的にはハース版の方が良いと思う。あの内気なぶるっくな〜が派手に打楽器を鳴らすとは思えないのだ。しかし、CDも実演も圧倒的にノヴァーク版で演奏される事の方が多いようだ。この部分に打楽器があるかないかでクライマックスの大きさが変わってしまい、全体の印象がかなり変わるのだが。
指揮者のてぃーれまんはどの程度過去にこの曲を振った事があるのだろうか?代役で急遽演奏する事になったのであるが暗譜で指揮していたからそれなりに準備をしてはいたのだろうが。
1楽章から音楽が流れない。曲の始めのトレモロ=ぶるっくな〜開始から第一主題のあたりの低弦の音でうぃ〜ん・ふぃるの響きが圧倒してくる筈なのだがそれがない。ぎこちなく流れる音楽はぶるっくな〜の音楽の美しさを響かす事はできなかった。かろうじて要所要所にうぃ〜ん・ふぃるの音の美しさが表れ、それで救われたが。全体の見通しの悪い演奏、交通整理の指揮っていうのはこういうのをいうのかと思いながら1楽章終了。
2楽章に入っても流れが良くない。凸凹アタフタと続く。しかし、後半になり、完全にクライマックスの部分に照準を絞った、クライマックスへ導く為の演奏である感じがしてくる。2楽章の全ての部分はクライマックスへ持って行く為の準備である、そんな感じなのだ。この解釈ではクライマックスはかなり派手でなければならないのだろう。ぶるっくな〜がそんな派手にクライマックスへ持って行く音楽を書いたとは思えない。しかし、ここはそういう解釈もありかと思って聴く。そう思って聴くと、この部分が、わーぐなーのじーくふりーとの葬送行進曲とだぶってきた。わーぐなーを得意とするてぃーれまんは、わーぐなーを崇拝したぶるっくなーの音楽をわーぐなーの延長線に見たのだろうか??
これでは日 本の偏執ぶるっくなーオタは納得できないだろうが、てぃーれまん贔屓のオイラは寛容な気分でこれを楽しんだ。これはこれでありかと。そう思って聴くとこれは実に堂々とした音楽だ。この部分で大抵、CDで聴くとやりすぎだよ〜、と思う演奏が多いのだが、不思議と納得してしまった。
荘厳な2楽章が終わると3楽章、4楽章は非常に軽い。重苦しい前半の2楽章と後半のスケルツォとフィナーレの軽さが曲のバランスの悪さ、ひょっとしたらこの曲は2楽章までで良くて後半の楽章は要らないのでは、と思う事もあるのだが・・・。
3楽章が始まって、オケの音が変わった様な気がする。力が抜けたのか、リ ラックスした自然な音楽になった。今までのアタフタ感がなくなりオケも生き生きとしてる感じだ。この曲で後半の2つの楽章をこれだけ楽しく聴けたのは始めてであり、この楽章に存在価値がある事を感じさせた。
ぶるっくな〜には不満はあったがそれは承知で聴きに行った。それに、最悪のぶるっくなー=絶叫雄叫び型ぶるっくなー、過去にずーびん・めーたがうぃーん・ふぃると叫びまくり怒鳴りまくりのぶるっくな〜を演奏を聴かされ散々な目にあった、ではなく、うぃーん・ふぃるの美しい音を堪能はできたのでそれで十分満足。
何て言っても、あの圧倒的なとりすたんを聴けたのだから。