悔い改める者に憐れみを

今日はバッハ・コレギウム・ジャパンBCJ)の演奏会。曲目はバッハの「マタイ受難曲」。
恐らく、この曲は宗教を超えて、人類の残した音楽の最高傑作であろう。ワグネリアンを自称するオイラであってもワーグナーのどの作品よりもこの曲の与えてくれる感銘の方が上なのである。
極めて日本的な宗教観(無宗教の様で無宗教でなく、都合のいい時だけ神様や仏様にお祈りする)を持つオイラが、受難曲を聴いてってのは、事この曲の前では関係無いと言えるだろう。この曲は宗教を超えて・・・・って、まあ、宗教の話は危ないから止めましょう。
兎に角、この曲は名曲なんです、不滅の。
演奏については、もはや世界のBCJだし、CDや実演も聴いてるから安心して聴ける。今回は珍しく、小ホールでの演奏。バッハの時代の演奏スタイルを目指しているBCJであるが、演奏会となると、サントリーホールやオペラ・シティの2000人収容ホール。前回はサントリーホールで聴いたのだが、オケの編成とホールの大きさのバランスの悪さを一部で指摘されていたし、オイラも事実そう思った。
今回は500人の小ホール、カザルスホール。通常は室内楽をやるホールだ。教会音楽で有る事から考えてもこの位の大きさが妥当であろう。500人ホールでやるとなると採算の問題とか色々あって滅多に出来ないだろうから、今回のこの特別演奏会は貴重だった訳である。

1部が終わりどっと疲れた。1部だけで、ベートーヴェンの第九と同じ長さだ。2部はもっと長い。1部の後の休憩時間。一端外に出て一休みし、座席に戻る。座席に着こうとした時にパンフレットを足下に落とした。拾おうと床に手を伸ばし、しゃがんだ、その時・・・・。ビビビビビ・・・。嫌な音と感触がオイラの股間を襲う。「破れた!!!」。ひきつるオイラ。
今日も一気に夏じゃないかと言うくらい暑かった。
マタイ受難曲を聴きに行くってのに、Gパンでは行けない。オイラは先週大騒ぎして夏のボーナス払いで買った新しいスーツを着て望んだ。買ったばっかりのまだ金も払ってない、スーツをだ。着るのは3日目だ。
動揺して、パンフレットを拾いそびれて、もう一度拾おうとしゃがむ。再び「ビビビビビ・・・」。またやってしまった。
ここでオイラは祈った。破れたのはスーツのズボンでは無く、その下のパンツで有る事を。もしスーツだというなら縫い目が裂けていてくれと・・・。休憩時間も終わり近くなっているからトイレにも行けない。手で確認するわけにもいかない。この場所で自分の股間やらお尻やらをいじくり回してたら変質者と間違えられる。極めて動揺しながら、あの、感動的な2部の音楽を聴く羽目になったのだ。
会場が暗くなったところで座ったまま、こっそり手で確認する。極めて怪しいポーズだぜ。破れてないような気がした。勘違いか?
取りあえずそのことは忘れてマタイを聴く。
エス様安らかにお眠り下さい・・・・。感動の涙を流しながら、そそくさと会場を後にし、現実の世界に戻りトイレに駆け込む。祈る様な気持ちで個室へ・・・・。
破れていたのはパンツだった・・・・。あ〜良かった。どうも最近太股が太くなってパンツの足出す所がきつくなっていたのだ。今日のパンツは浅草の「とらんくす屋」でGetしたお気に入りのものだったんで残念だけど、買ったばかりのスーツが破れてなくて本当に良かった。最近、稽古不足で太ったのが原因かな?陽気も良くなったし絞るかな。