三・井の晩鐘、グォーーーーン!!おとうはぁ〜ん(前編)
「それなら三井寺に行って鐘の写真撮ってきて」
そんな事はおやすい御用さ。過去の彼女が建てたオイラの一人旅プランと比較すれば随分とお手軽な企画だ。
・鞍馬山に行って熊退治してきて
・大・阪の帰りにちょっと当麻寺見てきて
・大・阪の帰りにちょっと和歌山寄って道成寺見てきて
・伏見にいって酒粕ラーメン食べてきて
・京・都御所の中を一回り?してきて
・青・森行くなら八戸寄って海猫見てきて
・高野山下見してきて・・・
どれも楽しい企画だった。他にもまだまだ有ったような気がするが・・・・。
企画を立てる特別な才能があるのだろう、きっと。どれもが今も鮮明に記憶されている楽しい企画だったぜ。
今回の関西遠征の目玉は後半の「天の橋立」日帰りツァーだから、三井寺はおまけか?
たかだかお寺1つ行って「鐘」の写真を撮ってくる何てお安い御用さ、オイラは軽く引き受けた。
土曜日、東・京を10時の新幹線で出発した。一人旅だから「ひかり」さ。のぞみなんて贅沢だ。だが、この20〜30分の違いが大きい。京・都までが随分と遠く感じた。のぞみなら、ちょっと一眠りすれば名・古・屋あたりまで行ってそうなのだが。
1時前に京・都駅に到着。
昼食を簡単にスタンドのカレーで済ませ、三井寺へ向かう。京・都駅から小一時間で着くらしい。
二泊三日の一人旅なのに、何でこんなに荷物が重いんだ?着替えだけのはずなのに?
右手には小さめなバック。着替えやらその他諸々が入っている。そしてもう一つはぱそこんの鞄、こいつが重い。
オイラの愛機DynaBOOKは軽量B5版、今年の春の新型さ。軽いのさ、本体だけは。
ノートぱそこんの他に
・ぱそこんの電源ケーブル
・でじかめ
・充電器と充電池(でじかめ用)
・I−pod(充電器有り)
・PDA(充電器有り)
・携帯電話3つ(充電器有り)
・ケーブル諸々・・・
これだけ集まると結構重いぜ。困ったもんだ。
重い荷物を気合いで運び、三井寺へ向かう。乗り換え駅の”膳所”が何て読むのか解らなくて京都駅で駅員さんへ何番線のホームへ行くのか聞けなくて困る。
膳所で乗り換えて三井寺駅へ向かう。京阪・石・山・坂・本線はなかなか風情があるぜ。
膳所の次の駅はびわ湖ホールの最寄り駅だったのか、びわ湖ホールの行き方覚えたぜ。待ってろよ、うぃーんふぃる、チケット買えるかな?
数分で三井寺駅に到着。オイラが列車を降りるとオイラの後ろを車掌が列車を降りて追いかけて来る。
何だ?と思っていると車掌はオイラを追い越してオイラの正面に回り込んだ。???と思っていると車掌はオイラに”お手”のポーズで掌を向ける。オイラは車掌の掌にゲンコツをのっけるべきかどうか一瞬考えたが、考えているうちに車掌が「乗車券お願いします」と言ってきた。え、三井寺駅って無人駅だったの??
おかしい・・・人がいない。観光客はどこだ?。
今日は”千団子月例祭”というのをやってる筈なのに誰も人がいない。雨だからか?
古典で寺と言えば三井寺、という位、三井寺はメジャーな寺だとオイラは聞いてきた。
川と言えばドナウ川(またはライン川)、城と言えばノイシュバンシュタイン城と教わってきたオイラに、それらと同格な程有名な寺であるとオイラは聞いてきたのだ。その三井寺の最寄り駅が無人駅?よくわからん・・・。実際には無人駅ではなかったのだが・・・。
とにかく駅前に人がいない・・・
駅を出たオイラに大変な問題が襲ってきた。駅はオイラの想像を遙かに上回る小ささだった。そして、この駅にはコインロッカーが無い!!!
オイラは荷物を京・都駅のコインロッカーには預けずにここまで持ってきてしまったのだ。駅にはコインロッカーが必ずある、そんな風に勝手に思いこんでいたのだが・・・・。途方に暮れる。この荷物を持って観光か・・・、重いぜ。
この小さな駅の前に「極真空手」の道場があるではないか?おー、こんな田舎まで。電気がついてるから荷物を預かって貰おうかと本気で考えるが、そのまま稽古する羽目になったら面倒だから思いとどまる。
駅前にお総菜屋さんがあるので覗く。なんと、このお総菜屋さん、近江牛を取り扱ってるではないか。
おーここは近江牛のふるさとか・・・・。店内にはテーブルがあって、昼時にはここで近江牛の自家製牛丼が食べられるらしい。しまった・・・・。京・都駅でカレーライスを食べてしまった事を心底後悔する。近江牛の牛丼何てそうそう食べられるものではない、ここは気合いを入れて食うか??葛藤する事15秒、格闘家魂が食欲に打ち勝った。近江牛牛丼さんさようなら。
お総菜屋さんで揚げてもらった77円の特製コロッケをほおばりながら三井寺へ向かって歩き始める。
緩い上り坂だ。
暫く歩き三井寺観音堂→という表札を発見。そうか、三井寺は山寺だったのか・・・
入り口で小屋のおばちゃんに入場料を支払う。小屋の先の寺へ通じる道には階段が延々と続いている。ちょっと急な階段だ。オイラは突如、おばちゃんに愛想をふりまき、重い重い荷物を預かって貰う交渉を始める。人の良いおばちゃんは快く引き受けてくれたぜ。ありがとう。
階段を上り始める。急な階段ではあった。途中で息切れしてへたり込んでるおばあちゃんもいた。担いでいってあげようかと思ったが、そのおばあちゃんの目がまだ死んでいなかったので、自力であがって貰う事にして無視して追い越していった。
ほんの数十段の階段だからどうって事はなかったのだが、なんとなく疲れる。
観音堂というところに到着。ここでオイラは重大な過ちに気が付く。どうやらオイラは順路を逆に進んでいるらしい。オイラが入ってきた所は通常は出口であったらしい・・・。
続く